認知症の物盗られ妄想のときの対応のしかた

声掛け

施設ではすぐに、「〇〇が盗まれた」と訴えてくる利用者さんもいます。自分が置いた場所を忘れてしまわれ、探しているうちに「盗まれた」と思い違いをしてしまいます。これを物盗られ妄想と言います。物盗られ妄想は認知症の周辺症状のひとつである被害妄想の一つです。

「泥棒なんていませんよ。」(NG)

物盗られ妄想の方は「私のバッグ知らない? ここには泥棒がいるのかしら。」とよく言われます。なかには「ここには泥棒がいるから、警察を呼んでください。」と仰られる方もいます。そういうときに「泥棒なんていませんよ。」と答えるのはよくありません。「なんでいないって言いきれるの! あなたもグルなのね。」余計に興奮させてしまいます。

「大事なバッグが見つからないなんて心配ですね。一緒に探しましょう。」

そういうときには一緒に探してあげるふりをするのがいいのかもしれません。「ここに泥棒がいるのかしら。」「大事なバッグが見つからないなんて心配ですね。一緒に探しましょう。」と、まずは安心させてから、一緒に居室を探してみます。そこで、「ここにありますよ。」というのもよくありません。私のせいで迷惑をかけてしまったと落ち込んでしまわれます。さりげなく、「ベッドの下に落ちていたりしませんか?」と誘導して、自分で見つけて頂く方がいいです。「あら、あったわ。」「見つかったよかったですね。」

物盗られ妄想があると、いっしょに住んでいる人にとっては、たまったものではありません。家の中では、お嫁さんが真っ先に犯人にされてしまいます。一生懸命、姑さんのお世話をしているのに、泥棒扱いされるなんて、本当にやり切れない思いになると思います。介護疲れの原因でもあります。

物盗られ妄想の場合、もともと悪気があったわけではありません。たとえ腹が立っても、事態を冷静にとらえ、まずは利用者さんを落ち着かせましょう。一緒に探すという共同作業をしながら、利用者さん本人に見つけて頂くのも一つの方法です。

タイトルとURLをコピーしました