病気に苦しんでいる方には、私たちにはわからないつらさがあります。その気持ちのすべてを理解することができないとしても、その気持ちに寄り添う姿勢が大切かもしれません。
「食べないと体が持ちませんよ。」 (NG)
食事を拒否される方は施設では珍しいのですが、パーキンソン病の症状がでてきて、うまく指が動かなくなったり、人に食べさせてもらうことに抵抗がある利用者さんは多いです。そんな利用者さんに「食べないと体が持ちませんよ。」と言ったところで、「食べたって健康になれないから、いらない。」と言われてしまいます。「そんな悲しいこと言わないでください。元気を出すためにも食べましょう。」と言っても、心を閉ざしてしまった利用者さんには何を言っても難しいです。
「つらい思いをしていたんですね。」
たとえば、「つらい思いをしていたんですね。私にできることがあれば、遠慮なく言ってください。食事は〇〇さんが食べたくなったときでいいですよ。」と相手の気持ちに共感してみてはどうでしょうか。身近にいる人が私を理解してくれると思えることが、利用者さんにとっての喜びや心の支えになることがあります。
介助する方には、精神的ケアが求められることもあります。拒絶されることの方が多いですが、どんな場面でも利用者さんに寄り添う気持ちを忘れずに介護することが大切だと思っています。こうした些細な積み重ねが信頼関係を少しずつ積み重ねることになります。利用者さんとの間に信頼関係の構築は自分の介護士の仕事のモチベーションアップにもなります。
ところが、介護現場では食事の時間が決まっている。人手が少ないなどの理由で、傾聴することがむずかしい場合が多いです。なかには、ひどい先輩介護士がいて「早く食べさせなさい」とか言われる場合もあります。自分では信頼関係を少しずつ積み重ねようと努力しているのに、自分の嫌なことを言わないといけないというジレンマに陥ることもあります。そういう場合はリーダーや施設長に相談するのがいいです。介護現場の場合、利用者さんとの信頼関係も大切ですが、スタッフ間の信頼関係の方が重要だと私は思っています。他のスタッフが嫌で現場を辞めていく人も多いです。

