高齢者のなかには話好きな人が多いです。若い時の自慢話を繰り返し話される方もいます。そういう利用者さんに対して、傾聴して差し上げるのが介護の基本です。ところが、介護士の仕事はたくさんあります。ゆっくりと利用者さん一人ひとりに対して、時間をかけて向き合う時間はありません。介護の仕事はチームワークです。また、利用者さんはひとりだけではありません。傾聴する時間を持たないといけないけど、ほかの介護の仕事もやらないといけない。一人の利用者さんばかりに時間を取れない。他の利用者さんにも時間をかけたいというジレンマに陥ってしまいます。
「ほかに仕事があるから」 (NG)
利用者さんから声をかけてくれて、話を聞いてほしいと思っていらっしゃるのに、「忙しいから」とか、「ほかに仕事があるから」と言って、逃げてばかりいると、その利用者さんはふさぎ込んでしまい、こちらから話しかけても答えてくれなくなる場合もあります。こちらの事情は、利用者さんにとっては関係ありません。「この人、わざと避けている」「私のこと嫌っているのでは」と思われてしまいます。
「今は10分しか話を聞けないけどいいですか?」
話を聞いてほしい利用者さんの要望はとても多いです。それだけに施設に対して、話を丁寧に聞いてくれないというクレームが多いのが実情です。言い訳をするのでなく、「今は10分しか話を聞けないけどいいですか?」「今は時間がないけど午後3時には話が聞けるけどいい?」と、こちらの話を聞く姿勢を見せることが大切です。話が長くなる場合は、「10分しか聞けない」など、あらかじめ断っておくといいと思います。時間を約束してお会いする場合は、「さきほどはごめんなさい。時間をずらしてくれてありがとうございました。」と感謝の気持ちを伝えることが大切です。

