認知症高齢者の物盗られ妄想の原因と対応と対策

対応

認知症の方はよく「私の財布が盗まれた」と大騒ぎします。本人が興奮して騒いでいるので早く何とかしょうと、探しているものを家族が見つけて「引き出しにありますよ!」「ここにあります!」と財布を持ってくるのは、あまりいい解決策ではありません。あなたが財布を持ってくると、認知症の方は「やっぱりおまえか!」とあなたに対する疑いをさらに強めてしまいます。「私ではありません!」「さっき自分でしまったでしょ!」と言っても、「さっきしまった」という記憶は残っていません。そういう時は「それは大変」「一緒に探しましょう」といって、一緒に探して、自分で見つけてもらうように誘導しましょう。

財布、通帳、印鑑などの自分の大切なものが、盗まれたものと確信して、ほとんどの場合、最も身近な人に疑いを持ちます。そばで一生懸命に介護している家族が一番疑われるので、いたたまれない、やるせない気持ちになりますが、認知症の方は自分がもっとも可哀そうな被害者と思い込んでいます。

物盗られ妄想の原因

「記憶障害」によって、自分にとって大切な財布をいつもとは違うところにしまった後に、しまったこと自体を忘れてしまった状態です。それで、いつもの場所にない、「誰かに盗まれた」と思い込んでしまったのです。「物盗られ妄想」はアルツハイマー型認知症の女性に見られる症状です。

「物盗られ妄想」の原因は、認知症の中核症状である「記憶障害」ですが、生活に支障が出ている現在の自分の状況に不安を感じていますが、それが認知症のせいだという認識がありません。様々な要素がからまって「妄想」に至っています。

本人の気持ちからすれば、私が大事な財布を無くすわけがない、誰かが持っていたに違いない、財布のことをよく知っているのは誰かというとあの人に違いないと妄想して確信してしまうのです。

物盗られ妄想の対応と対策

まずは本人の「盗まれた被害者は私だ!」という訴えはしっかり聞きましょう。そして、「盗んだのはあなたね」という訴えにも、「私ではありません!」と否定するような言い方はしないようにしてください。疑われた方にとっては、嫌な気持ちからつい大声をあげて否定したくなりますが、まずひと呼吸おいてから落ち着いて対応することが大切です。決して険悪な顔を見せたりしないで、認知症の方の気持ちになって「一緒に探しましょう」と促すことが必要です。

一緒に探す時は、たとえ場所がわかっていても、すぐに見つけないで、少し時間をかけて探すふりをします。そのような姿を見せると「この人は私の協力者で味方だ。犯人ではない」と認識してくれます。

本人が大切なものをしまいそうな場所を把握しておくことも大切です。盗まれたと言い出すものが、服とか食器などの物である場合、本人と一緒に置き場所やしまった場所を紙に書いて目につくところに貼っておくのもいいでしょう。

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