介護者の手を払いのける原因
認知症の方の介護をやっていると、昨日までは言うことを聞いて、きちんと介護を受けていたのに、ある日出社して介護しようとすると、手を払いのけて拒否することがあります。本人はふざけているわけではありません。手を払って拒否するサインを無視してはいけません。そのまま介護するのをやめて見守った方がいいでしょう。「わがまま言わないで!」「ふざけているんですか!」と声を上げて叱ってはいけません。介護スタッフに昨日までは良好な関係があったのにと思われますが、何が原因なのか、本人の状態を確認することが必要です。
介護者の手を払う「介護拒否」は、認知症の周辺症状(BPSD)の一つとされています。原因は人によって様々です。体に触れられるのが嫌なのかもしれません。もしかしら、体のどこかに痛みがあるのかもしれません。本人が自覚していない痛みがあって、そこを触られて手を払いのけたのかもしれません。施設では介護スタッフが「介護拒否」に会うと、別のスタッフに代わります。それでも同様の反応があるか観察します。
「記憶障害」から、それまで良好な関係だった介護スタッフのことを忘れてしまっているかもしれません。「知らない人が触ってきて馴れ馴れしい、気持ち悪い」と思っているかもしれません。「この人に何をされるかわからない、怖い!」と思っているのかもしれません。それとも何か嫌なことを思い出すきっかけになっているのかもしれません。
介護者の手を払いのける対策
認知症高齢者の方が嫌がっているポイントはどこか、特定の介護スタッフとの関係にあるのか、異性の介護スタッフだから嫌なのか、本人の生活状況、性格なども考慮して、ケアマネジャーとも相談して対策を考えることもあります。
ディサービス(通所介護)の介護スタッフの手を払いのける場合、介護スタッフの関係性よりも、ディサービスそのものを嫌がっているのかもしれません。デイサービスはデイサービスセンターや特別養護老人ホームなどの福祉施設に日帰りで通うサービスのことです。食事や入浴、レクリエーション、機能訓練などのサービスを受けられる介護サービスです。
「自分はまだディサービスを受ける必要はない」「大勢集まって何かするなんて幼稚園児みたい」と思っているかもしれません。老いというものを認めたくない、新しい環境、集団に対する不安は若い人の比ではありません。ディサービスに行きたくない人を無理強いするのはよくありません。これでは、本人にストレスが溜まります。介護サービスそのものを苦痛に感じるようになります。まず、本人の意向を尊重しましょう。ディサービスに行きたくない理由を聞きだして、ケアマネジャーやディサービスの職員に相談してみましょう。本人が気分よく行ける方法を考えましょう。
実際にディサービス(通所介護)やショートステイ(短期入所生活介護)などの介護サービスを利用する際には、最初は家族が同行して数時間が半日だけの利用にして、その後、少しずつ時間を延ばす方がいいでしょう。ショートステイは施設に短期間入所して日常生活の世話などのサービスを受けられる介護サービスです。

