認知症高齢者がじっとしていられない症状
認知症高齢者がじっとしていられないのは、「徘徊」という認知症の症状です。誰かよその人がいたとしても関係ありません。本人はやめることができません。来客の接待をしていて、「ウロウロするのはやめてください!」「自分の部屋でじっとしていてください!」と言っても、言うことを聞いてくれません。そこで部屋に閉じ込めてしまわれるケースが多いですが、そんなことしたら余計に欲求不満になり、別の問題行動を起こしてしまいます。
こういう時は禁止したり、閉じ込めるのではなく、関心を別のものに向けさせることができたらいいと思います。「探し物ですか?」「好きなテレビ番組がはじまるので、いっしょに見ましょう」「お父さんの好きな本と買ってきましたよ」「お茶でも飲みましょうか」などと声掛けして、本人の関心を別のものに向けさせて、気持ちが落ち着くようい試みてみましょう。
認知症高齢者がじっとしていられない原因
認知症の周辺症状(BPSD)の一つである、動き回る「徘徊」は、大きく分けて、本人に理由や目的がある場合とない場合の2つに分類されます。前頭側頭型認知症の場合は、毎日、同じルートを早足で繰り返し歩き続ける「周徊(しゅうかい)」という症状が見られます。周徊の場合は同じルートを歩いてくるので、道に迷うことはありません。
家の中でじっとしていられないのは理由や目的がない場合です。家をリフォームしたり、介護施設に移ったり、環境の変化に心や体が対応しきれずに、このような症状が出てきた可能性もあります。家や施設で何か不安なことはないか、さりげなく聞いてみるのもいいと思います。そこに問題解決の糸口が隠されているかもしれません。
認知症高齢者がじっとしていられない対処法
家の中だけの徘徊のように、家族の目が届く場所で歩き回っている場合はまだ安全ですが、家の外に出始めたら、場所がわからなくなって帰れなくなることもあります。本人の行動パターンをしっかり把握して、徘徊がはじまったら、本人が興味を持っているものを見せたり、話しかけたりして、関心をそらし落ち着いてもらうのが一番です。
もし、家の外に出始めてしまうようなら、介護用品のなかにGPS機能付きに徘徊探知機があります。最近の携帯電話やスマートフォンにはGPS機能を持たせることができますので、万が一に備えて、そちらも用意しておくといいと思います。
グループホームでは、夕方になると何人かの利用者様が「家に帰りたい」と落ち着かなくなり、歩き回る人が出てきます。「夕暮れ症候群」と言います。「ここはどこ?」「なぜここにいるの?」と不安や焦りが生じ歩き回ります。そんな時は「ひと休みしませんか」「気をつけて行ってきてください」と声掛けします。「歩き回ってはいけない!」と禁止や否定の声掛けはしません。安全な場所を歩いている場合は「徘徊」を止める必要はありません。それよりも「いつもあなたのことを気にかけています」と安心させるような対応が必要です。

