グループホームなどの施設にいると、夕暮れ症候群といって、夕方になると「家に帰りたい。」と訴える人がいます。認知症のBPSDのひとつに帰宅願望ですが、「家に帰りたい。」と訴えるだけでなく、実際に家を出て行ってしまう人もいます。
「これまで気に入って暮らしていたのに。」(NG)
「ここが嫌なの。家に帰りたい・・・」と仰る利用者さんに「これまで気に入って暮らしていたのに。」というと、自分の言うことを聞いてくれないと思って、さらに訴えは強くなります。さらに興奮してしまいます。脱走を謀る利用者さんもいます。
「ちょうど私も、ここにいるのがつらいと思ったところです。一緒に散歩でも行きませんか?」
「ここが嫌なの。家に帰りたい・・・」と仰る利用者さんに、たとえば「ちょうど私も、ここにいるのがつらいと思ったところです。一緒に散歩でも行きませんか?」と共感してみてはどうでしょうか。私のグループホームでは、目の前に公園があり、一緒に散歩することで、帰宅願望がなくなることがあります。そのまま、施設に帰ることができます。
人間の気持ちは毎日変わるものです。昨日まで楽しく過ごしていたとしても、今日は家に帰りたいと思うようになります。そこで散歩にお誘いしたり、気を紛らわしていただくような声掛けをするのも一つの方法です。理想の介護士としては、選択肢をたくさん持っているといいです。日頃からあらゆる場面を想定していて、そのときの対応策を一つではなく、多数持っておくことです。それが経験というものになるとは思いますが、介護経験が短い方でもいろいろ創造することで、散歩の提案を拒否された場合、違う声掛けをして差し上げることができるようになると思います。

