家族介護者の定義と役割
介護者とは介護をする人であり、そのほとんどが配偶者か家族が介護することが多いです。介助というと入浴介助とか食事介助、排泄介助などの動作を手助けするイメージがありますが、介護というと介抱しお世話する、生活そのものを支援するイメージがあります。
介護者は一般的には長期介護のニーズをもつ高齢者や障害者、病気になった人の日常生活上の援助をする人のことですが、超高齢社会(65歳以上の人口が全人口の21%を超える)になった今、家族介護者の役割が大きいことは言うまでもありません。
これまでは認知症になった方は老人病院に隔離されていたわけですが、だんだんと認知症になった方の人権が問題視されるようになり、自宅で家族の方が介護されたり、自宅で介護することが難しい場合は、施設に入居したり、通ったりすることで、専門の介護士が介護していたわけですが、今までの施設の数、介護士の人数では追いつかないということで、居宅介護を主流として、その地域で住んでいるみんなで認知症になった方を守っていこうという動きになっています。
家族介護者の役割として、まず、認知症ケアの実践者であり、認知症の方の代弁者であり、これまでと同じように家族の一員として見守っていく存在になります。そのことは認知症の方にとって心強いことだと思います。最初は自分の家族が認知症になっていくことに驚きや困惑があるかもしれませんが、認知症ケアのことを知ることで、未だ存在するであろう社会の偏見や差別から家族を守り、避難場所を提供することができます。もし国が目標としている地域包括ケアシステムができれば、どれだけ素晴らしい国になるのだろうと期待しています。
家族介護者の課題と限界
家族介護者にも課題があります。家族は介護の専門家ではないので、介護技術的にも限界があります。認知症の方の介護はそんなにやさしいものではありません。身体的にも、精神的にも疲労してしまいます。もちろん、介護する時間も必要ですし、そのために、仕事を削らなければならないのでしたら経済的にも圧迫されることになります。介護費用だってかかります。家族であるために感情的にもなりやすいですし、認知症になる前の姿を知っているので、余計にストレスがかかってくると思います。精神的にまいってしまい、うつ病になる可能性もあります。感情を抑えることができず虐待に発展することさえあります。
家族介護者への支援
家族介護者はこれから重要な役割を担うことになってきます。家族介護者自身がケアされずに、疲弊する状態まで放置されることはよくないと思います。適切なタイミングで認知症の方を施設入所することも必要です。レスパイトケアとして介護休暇のためのショートステイを定期的に行うことも必要です。カウンセリングを受けたり、専門家からのアドバイスを受けたりして、自分ひとりで問題を抱え込まず、周りの方に相談したり、援助してもらうのも、家族介護者のストレスや負担の軽減に繋がっていきます。また、専門職の方からの家族介護者への働きも大切です。地域として一人の認知症の方やその家族を守っていくことが理想だと考えています。
家族介護者は公的サポートの代用ではありません。たしかに超高齢社会において介護や福祉に対する資金が多くないのは否定できないでしょう。認知症ケアの多くの負担をその家族介護者にお願いしなければならない現実もあると思います。それなら一層、認知症の方のサポートと同様に、家族介護者への支援、サポートを充実させる必要があると思います。

