パーソン・センタード・ケアの心理的ニーズと5つの花びら

ケア

パーソン・センタード・ケアの心理的ニーズ

トムキットウッドは長い臨床的な観察の中から認知症の人は何を必要としているのかを検証してきました。パーソン・センタード・ケアの立場から認知症の人の心理的ニーズを捉えると、その中心にあるものは認知症の人がほとんど子供のように隠さずに愛を求める姿です。その愛は無償であること、寛容に無条件にその人を受け入れること、心から愛を与えることです。

この無償の愛は本当にむずかしいです。介護士は給料をもらっている時点で無償の愛とは言えないのかもしれませんが、無償の愛という気持ちで働かないとあまりの重労働に心と体が蝕まれてしまいます。無償の愛の提供者になりたいというその想いが介護者としての心と体を動かしているのだと思います。少なくとも私は生活費のために介護をしていると思いたくありません。それが自分に対しての優越感であったとしても、「無償の愛」というものに対しての探求心は忘れたくないと思っています。そういう意味でこのパーソン・センタード・ケアの心理的ニーズの中心にある無償の愛は介護者にとって必要なものだと私は思っています。私の介護者としての原点にしたいものです。

5つのニーズ(5つの花びら)

トムキットウッドは愛という中心的なニーズに向かって重なりあう5つのニーズを挙げています。これは認知症の人だけでなく、すべての人間が持つニーズだと考えました。重なりあうニーズのひとつのニーズが満たされれば、ほかのニーズも影響を与えると考えたのです。それを花びらのように例えています。

1.くつろぎ・なぐさめ

身体的にも心理的にも緊張感がなく、リラックスしている状態、安心の感情

2.結びつき(愛着やこだわり)

結びつきがもたらす安心、その人がほかの人と違って特別に感じている愛着やこだわり、その人の価値感

3.社会とのかかわり(共にいること)

集団の一員であることの安心感、のけ者にされるのではなく、周囲と繋がりを持って生きていきたいという気持ち

4.自ら携わること

一方的に何かをしてもらうことではなく、自分も何かをしたいとか、手助けしたいという気持ち

5.自分らしさ(自分であること)

その人だけがもっている特別な自分らしさ、その人らしさ、自分がほかの人と違って独自な人間である気持ち

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