地域包括ケアシステムが求められる背景と問題点、目標と目的

ケア

地域包括ケアシステムが求められる背景

日本の高齢化は他国に類を見ない速度で進んでいます。65歳以上の高齢者人口は全人口の4分の1にあたる3000万人を超えています。高齢者数は2042年ごろにピークを迎えます。同時に日本では人口全体の減少が進んでいますが、高齢者の割合はしばらくは増加し、2060年には65歳以上の高齢者が40%に達すると言われています。今後、約800万人といわれる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年以降は国民の医療や介護の需要がさらに増加していくことでしょう。

2000年から介護保険制度が始まりました。40歳以上の人から介護保険料を徴収することによって、家族にだけ介護の負担がかかることはなくなりましたが、高齢化とともに少子化が進み、税収が減少しているのにもかかわらず、高齢者が増えているので、さらなる社会保障費がかかります。そのために介護保険や医療保険などの公費だけで高齢社会を支えるのは無理です。医療と介護を病院や介護施設だけで行うことは不可能です。これ以上、病院や介護施設を作るお金もないし、そこで働く医者や看護師、介護士などの人材をそろえるのもむずかしいです。

地域包括ケアシステムの問題点

そこで国は、高齢者の医療や介護を病院や介護施設で行っていたものを、在宅で行うものだという国民の意識を変えようと必死になって対策を練っています。もはや地域に丸投げするしかありません。地域にかかわる多くの人たちがお互いに協力することで安全と安心を確保していく地域包括ケアシステムの構築に移行していったわけです。

国に財源がないのは、多くの国民が認識しているところです。年金さえ危ぶまれているこの時です。このような状況のなか、政府は社会保障、税一体改革において介護分野の地域の実情に応じたサービスの提供の効率化、重点化、機能強化を行っていくことを定めました。また、地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備も行われています。

地域包括ケアシステムの目標と目的

これを受けて厚生労働省は2025年を目標に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、たとえ要介護状態になっても可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられるように、地域包括ケアシステム(地域の包括的な支援やサービス提供体制)の構築を推進しています。地域包括ケアシステムでは、中学校区程度の身近な生活圏のなかで、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供されるシステムの構築を目指しています。

しかし、高齢化の進展状況には大きな地域差があります。地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが求められています。各市町村では2025年に向けて3年ごとの介護保険事業計画の策定、実施をしています。そのなかで地域包括ケアシステムを構築していこうとしています。

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