認知症高齢者の夜中に家族を起こして騒ぐ原因
レビー小体型認知症の症状の一つに「レム睡眠時行動障害」という症状があり、睡眠中に突然、大騒ぎをして暴れたりします。これは脳幹が障害を受けることによって、眠っている間も手足を動かす筋肉が緊張したままになるので、夢の内容に反応し、時によって暴言を吐いたり、暴力を振るったりします。何かをつかもうとして手を伸ばしたり、そばにあるものを投げたり、室内を歩き回ったり、窓に突進したりします。隣に寝ている人にけがをさせたり、自分自身もけがを負うこともあります。
みんな夢を見ます。怖い夢を見ることだってあります。ところが夢を見ている間は体はじっとしています。睡眠中は体が動かないように制御されているのです。だから朝、目が覚めると夢を忘れてしまっていたり、夢を見ていたと気づくこともあります。レビー小体型認知症の場合は、レム睡眠時行動障害によって、眠っている間も体を動かすことができます。夢の内容に反応したり、暴れたりすることができます。目を覚ましても夢とは思えず、現実のものを思ってしまいます。大声で寝言を言うまではいいですが、誰かを罵倒したりするなど、攻撃的な言動が見られることもあります。
血管性認知症の場合は「せん妄」が原因で、夜に大声で騒いだり、暴れたりすることもあります。せん妄は急激に起こる軽度の意識障害です。幻覚、興奮、不安などの症状を伴います。せん妄は高齢者にしばしば見られ、認知症とは別の器質性脳疾患、身体疾患、薬物などが原因で起こる場合の方が多いです。発症は急激で日内変動が目立ちます。夜間に悪化することが多いので、夜間に起こるせん妄を「夜間せん妄」と言ってます。
認知症高齢者の夜中に家族を起こして騒ぐ対策と対処法
夜中に繰り返し起こされる近くで眠っている家族にとってはたまったものではありません。夜中に突然起こされ、わけのわからないことを言われるのですから。「うるさい!何時だと思ってるの!」「わけのわからないこといって!」「夢でも見たんだろう!」と怒鳴りつけたくなります。家族にストレスは相当のものです。「明日朝早いんだから!」「疲れているんだから寝かしてくれよ」という気持ちになります。
でも、認知症高齢者を一人で放置しておくべきではありません。本人は不安や恐怖を感じています。本人の気持ちになってみれば、「夢じゃない、本当に怖い目にあったのに」「誰も助けてくれない、あんまりだ」という思いでいます。「はいはい、分かったから、さっさと寝て」と適当にあしらってしまいがちですが、こういう言い方もするべくではありません。本人は興奮しているわけですから、まずは気持ちを落ち着かせてあげることが大切です。
「大丈夫。私がここにいますからね」「ずっと一緒にいるからね」などと優しい声掛けをして安心させてあげてください。できればおだやかに眠られるまで一緒にいれたらいいと思います。介護者は大変ですが、感情と感情がぶつかればお互い傷つきあいます。私は介護者はショートステイ(短期入所生活介護)などを利用して、自分のストレスを解消すべきだと思っています。ショートステイはに短期間入所して日常生活の世話をしてくれる介護サービスです。介護疲れを理由に利用することができます。
また、睡眠障害なので、昼間の活動量を増やして夜はぐっすり眠れるようにしましょう。昼間寝て夜起きているような昼夜逆転が起きないように気をつけてください。意識障害は脱水状態で引き起こされている場合もありますので、こまめな水分補給は大切です。寝室環境もあまり暗すぎてもかえって不安になる場合もあります。音や照明など落ち着ける環境作りも必要です。あまりにもひどい場合は医師に相談して、薬を処方してもらうことも考えてください。

