レビー小体型認知症とパーキンソン病の違い
レビー小体型認知症とパーキンソン病の違いですが、実は「レビー小体」が溜まる場所によって症状が違ってきます。レビー小体が大脳皮質(だいのうひしつ)に溜まるとレビー小体型認知症になり、脳幹(のうかん)に溜まるとパーキンソン病になります。
レビー小体(しょうたい)とは脳の神経細胞にできる異常なたんぱく質の塊のことです。レビー小体ができる原因は未だ解明されていませんが、α(アルファ)シヌクレインという変異性たんぱく質が主成分です。これが脳の神経ネットワークを阻害します。
大脳皮質は脳の一番外側にある大脳の表面を覆う部分です。さまざまな認知機能をコントロールしています。ここにレビー小体が溜まると、さまざまな認知機能の低下をもたらします。脳幹は運動機能をコントロールしているので、脳幹にレビー小体が溜まると筋肉がこわばる「パーキンソニズム」という身体症状が現れます。
もともとパーキンソン病患者の脳幹から発見されたのがレビー小体です。パーキンソン病が進行すると8割の方がレビー小体型認知症になりますが、これをパーキンソン病認知症と呼ぶ方もいます。
レビー小体型認知症は、70代以降の高齢者、特に男性に多い傾向があります。まれに30代で発症する例がありますが、この場合はパーキンソン症状から始まります。姿勢が傾き、歩行が困難になり、レム睡眠時行動障害などが起きます。
レビー小体型認知症の場合、脳の神経細胞だけでなく、脳幹から続く脊髄、末梢神経にもレビー小体が現れます。起立性低血圧、めまい、便秘、頻尿といった排尿障害などの自律神経症状が見られるのは、このためです。アルツハイマー型認知症と比べると脳の萎縮が軽く、記憶障害が軽度なのが特徴です。
レビー小体型認知症の特徴的な症状と進行
軽度は無気力や抑うつ症状、寝たばかりの時に夢に反応して大声で騒いだり、興奮して暴れるなどの症状がでます。周辺症状として「レム睡眠時行動障害」「幻視」が特徴的です。レビー小体型認知症の軽度の場合、記憶障害が軽いので発見が遅れる可能性があります。
軽度と中度に共通して現れるのが自律神経症状です。便秘やめまい、失神などの起立性低血圧、失禁、頻尿などの排尿障害が現れます。
中度になるとさまざまな身体症状が現れ、進行が早くなります。特徴的な症状として「視覚失認」や「パーキンソニズム(パーキンソン症状)」があります。視覚失認は、物を見ても、それが何であるか、形や大きさも認識できません。パーキンソニズムは手足の筋肉がこわばる、動作や歩行がぎこちない、動きが遅い、転びやすくなるなどの運動機能障害です。そのほか、被害妄想や嫉妬妄想などの症状が現れることがあります。
末期になると歩行困難から寝たきり状態になります。食べ物を飲み込む力が低下する嚥下(えんげ)障害が起きやすくなります。食べ物が気管支から肺に入り込む誤嚥(ごえん)から肺炎を起こすことも多いです。これを誤嚥(ごえん)性肺炎といいます。グループホームでの死亡原因として一番多いのではないかと思います。そして重い意識障害に陥ります。

